「生きるか死ぬかが重要だ」(水木しげる)。
▼第15回「好きなことだけやりなさい」 漫画家 水木しげるさん
(『土曜インタビュー 2004にっぽん』2004年8月28日放送)
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家父長制堅持や中絶反対にはじまり、果ては進化論までをも否定する、保守・反動の極右的価値観を妄信する、キリスト教右派(原理派)は、アメリカにおいて、宗教の名を借りた一大イデオロギー集団である。(と同時に、一大産業でもある)
一方、イスラム原理派もまた、同様に、アラブ諸国を中心としたイスラム教圏において、宗教の名を借りた一大イデオロギー集団である。
(念のため付言すれば、宗教もまた、イデオロギーの一種に過ぎない)
世界最大の軍事国家/軍国主義国家、テロ国家/テロ支援国家であるアメリカの詐称する、「対テロ戦争」の正体が、過剰な安全保障を含む、自国の権益の一層の確保・拡大を目的とした、自己中心的・独善的・利己的で野放図な、侵略・破壊活動・経済植民地化であることは、疑う余地がない。
だが、その一方で、この国家テロリズムの発現としての「戦争」が、アメリカ型資本主義/民主主義が、その内部に包含するキリスト教原理主義を背景に先鋭化した、イスラム原理主義とのイデオロギー闘争の側面を合わせ持つことを、見落としてはならない。
〈9.11〉を契機とした、圧倒的な軍事力を有するアメリカによる、大量の戦力を投入した非妥協的な武力行使〜衝突は、その闘争形態が拡大・激化し、より顕在化・具現化したものとも言えるのである。
共通の敵が存在するとき、その集団の帰属意識の共有度や結束力は高まる。
イスラム原理主義は、民族の統一性を持たない多民族国家アメリカが、冷戦時代のかつての仇敵、ソ連の崩壊により失った、共産主義の脅威に代わり、新たに標的として見いだした、イデオロギー上の敵に他ならないのである。
その対立構造、そして、非和解性と深刻さを、どれほどの人間が理解しているのか。
はなはだ、心許ない。